ーーーこれから始まる非日常ーーー









「はぁ〜〜〜……。反省文なんて…嫌いだぁ……。」
は、机の前で突っ伏した。
「そりゃ、反省文書いたら遅刻3回分チャラにしてくれるのは嬉しいけどさ……。3回目にもなれば書く事無くなるし…、どうやっても朝起きれないんだから理由も何も無いしな〜〜〜。」
そう言って、コロン、とシャーペンを投げ出す。
は朝が弱かった。
両親がいた頃はまだ何とか叩き起こしてはくれていたが、その両親は今は海外。
この家には一人だ。
目覚まし時計だってちゃんとセットするが、いつも寝ている間に止めてしまう。
「ぅ〜〜〜、でもこれ書かないと出席点が……っ!!」
勉強は出来るとは言え、高校では結果的に成績が悪ければ留年だってする。
別に、授業や勉強が嫌で遅刻する訳では無いので、尚更にそれだけは避けたかった。
「あーーん、誰か朝起きれる方法教えてよーーーっ!!」
はぐーっと伸びをすると、天井に向かってそう叫んだ。

その瞬間。



パチ…ジジジ……ッ



まだ取り替えたばかりな電灯が、音を立てて消えた。
「あれ……?古いのだったっけ……?」
ふと、身を起こして辺りを伺うと……。


……ヴンッ……


「…………っ!?」
使っていなかったパソコンの画面が点いた。
「……あなたは…誰……?」
そこに映っているのは、見たことも無いナビ。
「私はスラー。」
「スラー?」
その女形ナビは、凛とした声で答えた。
「あなたの望みを叶えましょう……。あなたにデューオの力を授けます。」
スラーがそう言うと、部屋の片隅に置いてあったのPETが薄く光る。
「……デューオ……?」
恐る恐る、そのPETを手に取る。
「そのナビはバーナーマン。あなたの望みを叶えるのに最も適したナビです。」
「バーナー、マン……。」
PETの中にいたのは、赤いナビ。
好戦的な目でこちらを睨んでいる。
「そして、それはディメンショナルチップ。」
スラーの声にPETを見ると、一枚のチップが出てきた。
「……ディ…メン、ショナル……?」
聞き慣れない単語に戸惑う
「そのチップをPETに差し込めば、ナビを実体化する事が出来ます。」
「……じ、実体化……っ!?」
チップを手に取っていたは、その言葉に驚いて落としそうになる。
「そ、そんな!実体化なんて本当に出来るの……っ!?」
落としかけたチップを大事そうに手で包み、はスラーに聞く。
「使い方はあなた次第……。あなたの願い、叶う事を祈ってますよ……。」
そんなを見て、薄っすらと笑ったスラーは、そう言うとすぐに消えてしまった。
後に残るのは電源の切れたパソコンのみ。
部屋の電気も、その瞬間に復活した。
「……ぇ…、ゆ、夢…なのか、な……。」
先程までと変わらない部屋の状況に、つい一人で呟く。
「私、いつの間にか寝ちゃってたり……。」
「オイ……。」
「そ、そうだよね!今までもよく授業中とかに居眠りしちゃった事があるし……っ。」
「オイ。」
「あーー、そんな事言ってないで反省文書かなきゃーーー!」
「オイ……っ!!」
自分で無理矢理混乱を収めようとしていると、近くから怒声が聞こえた。
「え……っ!?」
その方向を見ると、自分のPET。
その中には、先程の赤いナビーーバーナーマンーーがいる。
「ぅぇえっ!?えっと、確かあなたってバーナーマン…だよね……っ!?」
「おぅ。」
やっと自分の方を見たの驚きに、少し嫌そうな顔をしながらも渋々答えるバーナーマン。
「あなたがいるって事は…やっぱり、本当だったんだ……。」
そんなバーナーマンを見ながら、は呟く。
「……で、お前は何が望みだ?オレが何でも叶えてやるよ。」
気を取り直したバーナーマンは、早く暴れたいと言う気もあり、ニヤリと笑いながらに問いかけた。
「ほ、本当に何でも叶えてくれるの……っ!?」
「あぁ。」
の驚きに、それだけ望みが大きい事を予想したバーナーマンは、大きく頷く。
「じゃあね、じゃあねっ、これから朝起こして……っ!!」
興奮してPETを顔の近くまで近付けながら、は嬉しそうにバーナーマンに言った。
「……はぁ……?」
そのの発言から、優に1分は経過した頃に、バーナーマンは気の抜けた声を出した。
「……いや、だから、朝……。」
そんなバーナーマンの反応に、はさっき言った事を繰り返そうとする。
「いや、それは良い!それより、おまっ、何だっ!?望みってンな事か……っ!?」
バーナーマンの反応を不思議そうに見ていたに、まるで唾が飛びそうなほどに叫ぶ。
「そんな事ってなにさーーー!こっちには死活問題なのっ!!」
はその言葉に、ムッと顔を歪める。
「もっと…、こう、苛められた奴に復讐する、とか憂さ晴らしに街を壊すとか、何か盗む…とかねぇのかよっ!?」
「何それ…、そんな事して何が楽しいの……?」
バーナーマンの必死の説明も、にはちっとも伝わってないようだ。
「…………っ!?」
全く、ちっとも自分の言葉になびかないに、がっくりと絶望感を感じるバーナーマン。
「……くっそ〜〜〜、スラーの奴、人選間違えやがって……っ!!」
小さな声で、今は消えてしまったスラーへの不満をぶつぶつと呟く。
「じゃあ、私書きかけの反省文書かなきゃだから、明日から宜しくね。朝の7時に起こしてくれれば良いからーーー♪」
バーナーマンがぶつぶつと一人文句を言っているのを他所に、はPETを傍らに置き、反省文の続きに取り掛かった。
「これで明日からは朝起きれるようになるのかなーーー?」
ちょっと不思議な体験ではあったが、自分の今までの悩みが解決すると言うのならば、少しは期待をかけてしまうもの。
ルンルンと鼻歌まで混じってくる程に上機嫌なの横で、バーナーマンは必死に考え直すように叫んでいた……。
















〜〜〜後書き〜〜〜

ハム猫・「……やっ・ちゃっ・た……☆」

バーナーマン・「燃やして良いか?」

ハム猫・「ゴメンナサイ、燃えないゴミです。」

バーナーマン・「チッ、粗大ゴミか……。」

ハム猫・「じゃなくてね、うん。とうとう書き始めちゃったよ、バーナー夢。始まり編です。これから(多分)小話形式で続いて行きます。」

バーナーマン・「何かいつもと同じく無茶苦茶な設定だな〜〜〜。」

ハム猫・「良いじゃないか!バーナーとの生活疑似体験☆がしたいだけだぃっ!!スラーさんだって、アニメ放送分だけじゃないだろうし、たまには人選間違うよっ!!」

バーナーマン・「……気分悪くなってきた……。」

ハム猫・「大丈夫、洗面器ならここに。もう、この話は妄想爆発な話なのでアニメ本編でバーナーが出てこようが、それが一回だけのちょい役で無かろうが、無視の方向で……っ!!」

バーナーマン・「すでに自分に言い聞かせながら書いてるもんな。」

ハム猫・「えぇ、そりゃもう。ネタはわんさか沸いてきますから、アニメで出て来ようがネタが尽きるまでやりますよ。」

バーナーマン・「……ってか、これ見てる奴いるのかよ……?まぁ、半分以上コイツの自己満足だから関係ねぇけどな……。」

ハム猫・「きっと、この全世界で3人くらいは同士様がいるんじゃないかな〜、なんて夢見てます。」

バーナーマン・「……あぁ、もう好き勝手夢見とけ。付き合いきれん。」

ハム猫・「そんなこんなで、これからも続いて行きますので、宜しければチロリと見てやって下さいませ!」



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