その明るい笑顔に。 その前向きな性格に。 その心弾む声に。 オレが惚れてるなんて、口が裂けても言えない。 ーーーいつかきっとーーー
「んぁ〜〜〜!今日も結構なお客さん来ましたね!」
ここはジャワイ島のMaHa弐番。 閉店時間をむかえ、店内では皆が一休みを取っている所だ。 「が来てから客も増えたしなーーー。」 そう言って、ヒノケンは水を飲む。 『でも、お客が来なくて潰れるよりは忙しい方が良いよネ〜〜〜♪』 ヒノケンの言葉に続いたのはカラードマン。 この、一休憩の時間の会話にナビも交えるのがMaHa弐番の日常だった。 「このまま順調に行けば店舗拡大も夢じゃないネ!」 オレのオペレーターであるエレキ伯爵も嬉しそうに言った。 「お、それ良いな!目指せ、全世界進出!ってか?」 エレキ伯爵の言葉に、ヒノケンは上機嫌なのか乗ってくる。 「あははっ、凄いですね!」 そんな会話に、は笑って言った。 「…………っ。」 そんなを、オレはPETの中から覗き見る。 いつからだったろう、こんなに胸が高鳴るようになったのは。 いつからだったろう、いつものように、声をかけられなくなったのは。 そんな想いを胸に、オレは今日もまた、彼女を見つめる事しか出来なかった。
「そう言えばさぁ……。」
暫く店舗拡大計画で盛り上がっていた2人をよそに、まどいが呟いた。 そして、ツイとに視線を向ける。 「今日も来てたじゃない、あの子。」 そして、ニヤリと笑う。 「……あの子……?」 当のは小首を傾げて疑問符を浮かべる。 「そう、あの子よっ、あの若い男の子!数日前からほぼ毎日来てるじゃない。何だか目的みたいじゃない?」 の反応を楽しそうに見ながら、まどいはゆっくりと説明する。 「なっ、なんで私目的なんですか!ここに来るなら、カレーを食べに来てる訳でしょう……っ!?」 そんなまどいの言葉に、顔を真っ赤にして、両手をぶんぶんと振りながらも否定する。 珍しく真っ赤になる姿は、とても可愛らしかった。 「まぁた、そんな事言って!結構気にしてるんじゃないの?」 まどいの好きそうな話故に、中々引き下がらない。 「もぅ〜、またまどいさんはそうやって私をからかう〜〜〜!違いますってっ!!」 困ったように頬を膨らませて言うが、そんな反応を見てもまどいは楽しそうにするだけだった。 「そんなに否定するのって、反対に怪しいわよ〜〜〜?」 の鼻をツンと突付きながら、まどいは笑った。 「〜〜〜〜!」 そんなまどいに、は軽く睨む。 「……でも、しかし、そんなに否定するって事は他に好きな奴でもいるのか?」 まどいの後ろから声をかけて来たのはヒノケン。 どうやら、会話の内容が気になっていたようだ。 「そうですね…、さんの年頃ですし……。好きな人の1人や2人いても……。」 今まで黙っていたマハ=ジャラマも口を開く。 「そ、そんな……っ。」 2人の言葉を聞いて、の顔はさらに真っ赤に染まる。 その反応を見て、オレは気が狂いそうだった。
そりゃあ、は店でも人気だし、惚れてる奴がいるのは知っていた。
しかし、の方が気にしてなさそうだったから放っておいたが、まさかに好きな人がいるとは。 何故、今までその思考に辿り着かなかったんだろうか。
「好きな人なんていませんよ……っ!!」
しかし、オレがもやもやと考えていると、のはっきりとした声がその思考を切り捨てた。 「…………っ!!」 その言葉に、ついの方を見る。 「本当か〜〜〜?」 ヒノケンは、その言葉にニヤニヤしながらを見る。 「む〜〜〜、皆信じてくれないなんて酷いよ!私、皆に嘘吐かないもん!」 必死になって食いつく。 「じゃあ、本当に好きな人が出来たら、一番に私に知らせてね!」 「いやいや、お前じゃなくて俺だ……っ!!」 の言葉に、まどいとヒノケンは目の前で押し問答を繰り広げ始めた。 どちらが先にの好きな人を聞くかを争っている。 ……兎に角、が可愛くて仕方が無い、と言う事だろう……。 『じゃあさ、じゃあさ、好きな人はいないにしても、理想の男性像ってヤツはどんななのっ!?』 未だにキーキーと騒いでる2人を無視して、隣で急にカラードマンが聞いた。 『…………っ!?』 突然の事に、オレは一瞬体を強張らせた。 「えっ、理想の男性像…ですか……っ!?」 そのの言葉に、今まで騒いでいた2人も静まる。 「……ぇっと…、その…よく分からないんですけど……。……カレーが好きな人…だったら良いな、と……。」 「「「「…………。」」」」
の発言に、4人共…寧ろオレ達ナビも黙り込む。
「うぅう、な、何なんですか!その沈黙は……っ!!」 そんな冷めた雰囲気に、は困惑しながらも声をかける。 「……本当に…あなたはカレーが好きなんですねぇ……。」 居辛そうにもじもじしているを見て、マハ=ジャラマが言った。 「……カレー好きじゃなきゃ、こんな所まで来ませんよ……っ。」 ふて腐れたように唇を尖らせ、は言う。 「ほんっとうにカレー馬鹿だよなぁ!」 ヒノケンは大きく笑う。 「これじゃ、暫くは恋よりもカレーかもね……。」 先程までしつこく騒いでいたまどいまでも苦笑している。 これで、この話題は丸く収まるかと思いきや……。
『そう言えば、エレキマンもカレー大好きだったよねーーー♪』
ポン、と自分の肩に置かれた手に、そして先程発せられた言葉に驚いて一瞬声が出ない。 『……なっ……!?』 後ろを見ると、ニッコリと笑っているカラードマン。 『そうだよなぁ…、いつも嬉しそうに作ってるし……。』 そして、さり気なく近づいてきたのはファイアマン。 『……えっ……!?』 そちらへ顔を向けながらも、未だに体が動かない。 「へぇ〜〜〜、そうなんだ!エレキマンがそんなにカレー大好きなんて知らなかった!」 冷や汗をダラダラと流し、混乱しているオレに気付かず、は嬉しそうにニコリと笑う。 『そうなんですよ、そりゃもう毎日作業しながら鼻歌を歌うくらいでして……。』 オレを隠すように前に出て、マジックマンが説明する。 (いや、そんな事今まで一度も無かっただろ……っ!?) 必死に否定しようにも、開けた口は言葉を発する事は出来なかった。
『お前…ばれてないとでも思ってたのか……?』
混乱の極みだったオレの耳元で、ファイアマンが囁く。 『……えっ……!?』 『エレキマンがの事好きだなんて、僕達ずっと前からお見通しだよ。』 後ろから、カラードマンも言う。 『…………っ!?』 信じられない、と言う言葉しか出て来ない。 そんなに自分はあからさまに行動に出していただろうか……。 『こう言う時くらい、思い切りアピールしないでどうするんですかっ。』 マジックマンも、オレを見て言った。 『…………。』 つまりこれは…皆なりの親切心…、と言う事なのだろうか……。 (しかし…、その気が無いとは言え、お節介に変わりは無いんだがな……。) 皆の必死な(?)姿を見ると、そんな事も言ってられない。 こんな弱いオレが時々嫌になるが、こんなのだからこそ何も行動に出られないわけで。 今まで以上に、これからにどう接すれば良いのか悩んでると、PETの向こうから声が聞こえた。 「そうだ!」
それと同時に、ポンと手を打つ音。
「好きな人、いました!」 そして、意外な言葉。 『…………っ!?』 オレは、ファイアマン達に囲まれながらも、目を見開いた。
「私が好きな人は…大好きな人達は……。」
ニッコリと嬉しそうに言葉を切る。 「ここ、「MaHa弐番」の皆です……っ!!」 楽しそうな彼女の声。 その声が紡いだ言葉。
「……そ、っか……。」
「ふふ、嬉しい事言ってくれるじゃない!」 その言葉に、ヒノケン達は照れ臭そうにする。
「あ、勿論、ナビの皆も大好きだからね!」
彼女は、そんな4人を見てから、くるりとPETに体を向けると、軽くウィンクしながらそう言った。 そんな、大好きな彼女の言葉に……。 オレは、少しの希望を抱いて良いのでしょうか……? 〜〜〜後書き〜〜〜 ハム猫・「やっちゃった!エレキマンドリッ!!」 エレキマン・「色々と言いたい事が渦巻いてて何から言えば良いのか分からないんだが。」 ハム猫・「言わなくて良いです。」 エレキマン・「これってオレなのか……?」 ハム猫・「ぅわんっ、言っちゃった……っ!!いや、何だか分かりませんが、エレキマンのイメージです。へたれっぽいかな、と。」 エレキマン・「……へたれ……。」 ハム猫・「もじもじと恥らって頂きたいです。へたれ万歳!中途半端な終わりはいつもの事です。」 エレキマン・「何かオレよりも他の奴らの方が台詞多い気もするし……。」 ハム猫・「何だかもう普通に旧・WWWドリになってなくも無い。」 エレキマン・「…………。」 ハム猫・「あ、嬉しそうに作ってるとか、作業しながら〜とか言う話は、何か調理過程でコンロの火の加減とか色々とナビが手伝うのかな〜と思ったからでして……。適当に解釈お願いします。」 エレキマン・「……泣きたくなってきた……。」 ハム猫・「泣くなよ☆涙が勿体無いゼ!」 エレキマン・「……はぁ、こんな奴とまともに言い合っても時間の無駄か……。ま、少しでも楽しんでもらえたのなら嬉しいんだけど…、どうなのかな……。良ければ、また来てくれると嬉しかったり…する……。」 |