朝。

静かな部屋の中、時計の針は7時を指した。










ーーー苦労の始まり編ーーー










(……7時か……。)
PETの中で、むくりと体を起こし、バーナーマンは思った。
の眠るベッドの枕元に置かれたPET。
未だにはすやすやと気持ち良さそうに寝息を立てている。
「…………。」
そんなを見ながら、バーナーマンはどうしようかと考え込む。
からは「7時に起こして」と言われたが、アステロイドとして…否、自分自身としてその行動を言われたままにして良いものか。
暫く腕を組んで考える間に、5分が経った。
「……ま、少し声掛けるくらいは……。」
幸せそうに寝ていて、起きる気配など全く見せないを見ながら、バーナーマンは決意を固めた。
「……おい、7時過ぎてるぞ……。」
ポツリ、と一言口にする。
「…………。」
しかし、に反応は無し。
全く聞こえていないようだ。
「……おい……。」
二言目。
しかし、これでもピクリとも動かない。
「……オイ……!」
今度は少し声を上げて。
だが、これでもは反応を示さなかった。
「……〜〜〜〜っ!!」
全く自分の声を聞こうとしないに、だんだん苛立ってくる。
「……ったく、起こせって言ったのは誰だよ!オレは一応声掛けたからな!後で文句言っても知らねェぞ……っ!!」
肩を怒らせながら、怒鳴る。
「……んぅ〜〜〜……。」
流石に、あれだけの声で怒鳴ればの耳にも届いたのか、少しだけ身動ぎをした。
「……ハンッ、一人幸せそうに寝やがって……っ!!」
一通り怒鳴って、バーナーマンはどかりと座り込んだ。
腕を組み、ぶつぶつと文句を言う。
「……ったく、何なんだコイツはっ!?オレ様捕まえて朝起こせだと……っ!?これじゃ、ただのナビと変わらねぇじゃねぇか……っ!!」
すやすやと言うの寝息を聞きながら存分に愚痴を言う。
「…………。」
が、一通り言い尽くした所でピタリと動きを止めた。
「……ま、一応声掛けたんだしな…後で文句言われてもオレに関係は……。」
チラリ、とを覘き見て。
「…………。」
暫くして、ハァと一息吐く。
「最後にもう一回くらいは声掛けとくか……。」
すっくと立ち上がり、PETの画面に近付く。
「オイ!あーさーだーーーっ!!起きやがれーーーっ!!」
思い切り息を吸い込んで、一気に大声で叫ぶ。
枕元に置いてある分、十分にに届いたはずだ。
「……んん〜〜〜?」
その声に、もぞもぞと布団の中でが動く。
「……ったく、やっと起きたか……。」
バーナーマンが、少しホッとして身を引いた所へ……。



「……煩い。」



バン……ッ!!

「……ぬぉ……っ!?」
PETの上に、急にの手が降って来た。
否、がPETを叩いたのだ。
「……っな、な、何しやがる、テメー!こっちが一生懸命起こそうとしてるのを”煩い”だと……っ!?それが物頼んだ側の態度かよ!寝起き悪いとかの問題じゃねぇぞ、コラ!起きろ、起きろ、起きやがれーーーっ!!」
のその態度に切れたバーナーマンは、マシンガンのように叫びまくる。
もうすでに頼まれた云々は頭の中から抜けていた。
兎に角、起きたに文句を言ってやりたいだけで。
バーナーマンはただただ叫び続けた。





ーーー10分後ーーー

「……っっだあぁぁーーーっ!!テメーの頭はどうなってんだっ!?いい加減起きやがれこの馬鹿がーーーっ!!」
10分間、大声で怒鳴り続けたせいで、バーナーマンはすでに息も絶え絶えだった。
「……はぁ、はぁ、はぁ……っ。」
がっくりと肩を落とし、疲れた目でを見る。
「……ん、んぅ〜〜〜……っ。」
その時、布団の山が動きを見せた。
ゆっくりと、布団が持ち上げられる。
「……んーーー……。」
眠そうな、声にならない声を発しながら、がベッドに身を起こした。
「……あれ〜〜〜?今何時……?」
目を擦りながら、まだ眠いのか寝ぼけた声で尋ねる。
「……7時30分だよ……。」
そんなに、すでにもう気力尽きたバーナーマンはぐったりと答える。
「……7時…半……。」
その言葉を繰り返し、はフと動きを止める。
そして、急にガバリとPETを持ち上げた。
「凄い凄い!凄いよバーナーマン……っ!!私こんなに朝早く起きたの久しぶり……っ!!」
一瞬で眠気が吹っ飛んだかのように瞳を輝かせて、はバーナーマンに言った。
「……っ、はぁっ!?お、おま、今までどんな生活してたんだ……っ!?」
そんなバーナーマンの突っ込みも聞く耳を持たないように、はするりとベッドを下りた。
「さぁーてと、朝ご飯の仕度しなきゃ!本当に有難うね、バーナーマン!私、あなたとは上手くやって行けそうな気がする♪」
そう言うと、は私室を出てリビングへと向かう。
「……いや、ちょっと待て!オレはお前と上手くやって行く気なんてちっとも……っ!!」
「あぁ〜、これで遅刻魔だった生活が変わるのかな〜〜〜♪先生驚くだろうな〜〜〜!」
自分の言葉を、またしても全く聞かないに、バーナーマンは疲労感と焦燥感に駆られた。
「ちょっ、ほ、本気で待て!オレはこれから毎日こんな生活送らなきゃいけねぇのか……っ!?」
先程の一連の苦労を思い出し、バーナーマンは血の気が引く気がした。



「……っ、お前人の話聞きやがれーーーっ!!」



PETの中で、叫んでもまともに聞く人がいないバーナーマンの空しい叫びが木霊した……。

















〜〜〜後書き〜〜〜

ハム猫・「バーナー小話、朝編でした。」

バーナーマン・「……こんななのか、これからのオレの生活……。」

ハム猫・「ふふ…、これで終わりませんよ……。」

バーナーマン・「なっ、何だよ、その気持ち悪い笑い方はよ!もしかして、これ以上悪くなるってんじゃ……っ!?」

ハム猫・「うん、悪くなるね。でも大丈夫、すぐに順応していくから。」

バーナーマン・「順応とかの問題じゃねぇ!」

ハム猫・「すでに朝の時点で微妙にバーナーさんが良い人ですが。これからもっとうっかりさんで良い人になって行きます。」

バーナーマン・「んなのオレじゃねぇーーーっ!!」

ハム猫・「そう言われてもそれがバーナーのイメージなので☆うん、妄想暴走って注意書きもしてるしさ、大丈夫!」

バーナーマン・「っくそぉ〜〜〜!こうなりゃテメーを焼いて終わらせてやる!燃えろ〜〜〜っ!!」

ハム猫・「ぎゃ〜〜っ、アフロになる〜〜〜っ。(棒読み)」

バーナーマン・「……っだあぁぁーーーっ!!そこのテメーも見てんじゃねぞ!オレはこんな生活絶対逃げ出してやるからなーーーっ!!」



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