今更と言えば、今更過ぎる事。 だが、これだけは絶対に肝に銘じておかなければならない。 教訓:プラントマンの誘いには決して乗ってはいけない。 ーーーまどろみと温もりとーーー 「……それ何、プラントマン?」
外から帰って来ると、プラントマンが一人優雅に部屋で何かを飲んでいた。
「ん、これかい?」 プラントマンは、私の視線にスッとグラスを上げる。 その中には、オレンジ色の液体。 オレンジジュースだろうか……? だが、何処と無く違うような……。 「美味しいよ、も飲むかい?」 クスリ、と楽しそうに微笑んだ。 「…………。怪しい……。」 そう言う表情をプラントマンがするのは、何かを企んでいる時だ。 「心外だね、にもこの味を教えてあげようと思っただけなのに。」 そう言って、また一口飲む。 私は、警戒しながらもじわりじわりとプラントマンに近付いた。 だんだんとグラスとの距離が縮まるにつれて香ってくる匂い。 「……もしかして…、それってお酒……?」 私は、つい顔を歪めて言ってしまった。 「あぁ、そうだよ。」 ばれてもどうでも無いような表情。 一体何処で手に入れてきたんだか……。 「お酒なら良いや。あんまり飲んだ事も無いし…、苦そうだし。」 片手をひらひらとさせながら、私はその場を去る。 去ろうとした。
だが、私の腕はがっちりとプラントマンに掴まれていた。
(ぃ、嫌な予感が……っ!!) 私は、振り返りたくない気持ちで一杯だった。 今振り返れば、これから始まる悲劇から逃れる事は叶わない。 必死に腕を引っ張って逃げようとするが、意外と力の強いプラントマンからは逃げられない。 「…、君も少しは大人になった方が良い……。」 どういう意味でだ、と問い詰めたくなったが、そこはぐっと我慢で堪える。 「……早くその手を離して下さい。やらなきゃいけない事が沢山あるんで。」 だんだん近付いてくる気配があるプラントマンから少しでも離れようと、私は一生懸命に腕を引っ張る。 だが、それも無駄な苦労だったようだ。 「……、グラスから飲むのと口移し、どっちが良いかな……?」 耳元で囁かれた言葉。 この男の言葉には、毎回悪寒が走る。 「……っこんの馬鹿プランん……っ!?」 ついつい、その言葉に突っ込みを入れようと振り返った瞬間。 私の口の中には熱い液体が入り込んでいた。 目の前にはニッコリと楽しそうに微笑むプラントマン。 だんだんと気が遠のく中、私は押し付けられているグラスを押し退ける事は出来なかった……。 「……っん……。」
一体どれだけの時間が過ぎたのか。
私は、重い頭をふらつかせながら目を開けた。
「……ぁ、れ……?ここは……。」
ゆったりと暖かく、安定した場所。 一定のリズムで、頭を撫でられる。 撫で……。
「……っは……っ!?」
咄嗟に顔を上げると、そこには案の定プラントマン。 瞬時に頭を動かすと、ズキズキと痛みが走った。
「大丈夫かい、?」
間近で見つめてくる彼は、優しくそう問いかけた。 「……大丈夫か…って……。」 そんな彼を見て、現状を確認する。 リビングの床に座るプラントマン。 そのプラントマンにしな垂れるようにもたれ掛かり、抱き締められている私。 そんな私の頭を、プラントマンは嬉しそうに撫でていた。 「……って、何してるこの変態ーーーっ!!…………っ!?」 いつものように突っ込みのアッパーカットを入れようと叫ぶと、途端に激しい頭痛が襲った。 その余りの痛さに、言葉も失い蹲る。 「無理はしない方が良いよ。酷い二日酔い状態だからね。」 そんな私を抱き締めながらプラントマンは言った。 「……二日酔いって……。」 その言葉を聞いて、記憶を辿ろうとする。 外から帰って来て…、プラントマンが何かを飲んでいて…、それを飲まされて……。 「……全部あんたのせいじゃない……っ!!」 未だに楽しそうにしているプラントマンを、下から凄い形相で睨み付ける。 「私のせい……?それはどうかな……。酔ったは激しかったからね……。」 そんな私を見ながら、プラントマンは何かを含んだかのような笑みを零した。 「……は、激しい……?」 何かを思い出すかのように口元に手を当て、くつくつと笑う彼。 そんな彼に、背中を冷や汗が伝った。 「……は覚えていないんだねぇ……?」 全身から凄まじい冷や汗を流している私を見て、プラントマンは微笑んだ。 「流石の私も…、あれは驚いたかな…うん……。」 私の中に何かを見出すかのように見つめるプラントマン。 「…………っ。」 私は、その視線に未だに彼の腕の中と言う事も忘れ頭を抱え込む。 一体、酔っ払った自分は何をしたのか……。 お酒を飲まされてからの記憶が一切無いので、自分がどんな行動をしたか覚えていない。 「……ぐ……っ。」 未だに悩んでいる私を、プラントマンは至極楽しそうに見つめる。 「覚えて…無いのかい?私にあんなに迫ったのに……。」 全く思い出せていない私を見透かすかのように、プラントマンは爆弾発言をした。 「せ、せま……っ!?」 その余りにも衝撃的な発言に、言葉を失う。 まさか。 まさか私が。 このプラントマンに迫っただなんて。
「〜〜〜〜っ、そんな言葉信じられるものですか……!プラントマンの口から出た言葉は9割方嘘じゃない……っ!!」
どう考えても良い反撃が思い付かなかった私は、子供らしい文句と共にがっと立ち上がった。 しかし、酔っ払っている事を忘れていた私は案の定ふらりとバランスを崩す。 「ぉっと、危ないよ。」 そんな私を、プラントマンは優しく受け止めた。 「今日はもう無理はしないで…、ここでゆっくりとお休み……?」 再び私の頭をゆっくりと撫でながら、プラントマンは囁く。 「……あのねぇ、こんな所で……っ!!」 彼の言葉に、またも言い返そうとしたが……。 何故だろう。 何処と無く落ち着くのは……。
(ナビって、暖かいんだな……。)
抱き締めるプラントマンの体温を感じる。 普段はPET越しに見つめる事しか出来ない存在。 データだけの存在。
でも、こうやって現実世界に出て来れば、触れる事も出来るし、温もりも感じられる。
ちゃんと、鼓動を感じられる。
優しい彼の掌と、心地良い温もりに、私はトロンとした眠気に襲われる。
抵抗をするのも面倒臭く感じられ、私は彼の腕に身を委ねる事にした。
「……変な事したら怒るからね……。」
無駄とも思える忠告をして、私はゆっくりと瞼を閉じた。 「ふふ、大丈夫さ……。」 その言葉に、プラントマンは優しく微笑む。 (本当は酔ってずっと眠ったままだったんだけどね……。今日は…まぁ、の可愛らしい寝顔が見れたから良しとするか……。) そう思いながら、ゆっくりと、の髪を指に絡ませ。 優しく、愛しそうに、彼女の額にキスを落とした。 そして。 規則正しい寝息を立てる彼女を腕に抱き。 プラントマンもまた、瞼を閉じた……。 〜〜〜後書き〜〜〜 ハム猫・「ぇ?いや、だからプラント夢?」 プラントマン・「何でそこで疑問系になるのかな……?」 ハム猫・「ぇ、ぁ、いや、何だかまた暴走し過ぎた気がして……。」 プラントマン・「フフ、良いじゃないか。私はの面白い反応が見れて楽しいからね。」 ハム猫・「えぇ、まぁあなたは面白いでしょうね……。(遠い目)」 プラントマン・「でも、私は何も悪くないよ?君が勝手にこう言う方向に話を進めて行くんだからね。」 ハム猫・「いや、絶対オイラだけのせいじゃないよ!プラントのせいも7割方くらい含まれてるよ……っ!!」 プラントマン・「ふぅ…、心外だな……。」 ハム猫・「それ本気ですか?」 プラントマン・「…………。」 ハム猫・「……ぃや、ゴメンナサイ……。はい、ただハム猫が撫でられるのが好きと言うだけです……。」 プラントマン・「ふふ…、勝手に願望を書き連ねるからねぇ……。まぁ、それで良い思いが出来るなら良いけどね。」 ハム猫・「ナビが暖かかったり、鼓動を感じれたりとかは希望です。その方が何だか嬉しいので。」 プラントマン・「まぁ、細かい所を突っ込んでいたらこんな奴の書く話は読めたもんじゃないからね。気が向いたら、また来てくれると嬉しいよ。」 |