チュン…チュン…チュン……。

カーテンの間から朝日が差し込む。
外では鳥が鳴いてる。


時計を手に取る。
7時20分ーーーーー……。



ああ…また今日が始まった……。










パニック☆パニック
〜ああ、マネージャー戦争〜










ああ…何だか、この十二支高校へ向かう道程がとてつもなく辛いわ……。
何だか足が重い…、後ろに引っ張られるカンジ……。
学校行くの嫌だなぁ…って!これってまさか不登校予備軍っ!?
ダメダメダメッ!!
1日休んだら絶対次の日も休みたいって思っちゃうんだからっ!!
そしたら出席日数やばくなるじゃないっ!!

そう思いながら、嫌がる体に鞭打って、やっと辿り着きました十二支高校。
あぁ、何故に彼は今日もさわやかスマイルで校門に立っておられるのでしょう。





「やぁ、君、おはよう。」
片手を上げ、さわやかに、にこやかに挨拶する牛尾御門を無視して横を通り過ぎようとした、その時ーーーーー……。



ガシッ



「今日こそは、マネージャーになってもらうよ。」
顔はニッコリ笑ったままでしっかりと腕を掴まれた。
「失礼ですが、牛尾先輩、朝練はどうしたのですか?」
嫌みったらしく丁寧な口調で聞く。
「ハハッ、もう終わったよ。」
「ウソつけ!めちゃくちゃバットの音とか響いてるじゃんっ!!」
さわやかに答える牛尾にしっかりとつっこむ私。
「フゥ…、君がマネージャーになってくれるまで僕が朝練出来ないじゃないか……。」
「じゃあ、私を諦めて下さい。」
キッパリと言い放つ。
「それは出来ないな。何たって、この前のミーティングで部内全員一致で君が欲しいと言う事になったんだからね!」
「絶対ウソだっ!!ってか、さっきあからさまに日本語おかしい部分があったぞっ!!」
これまた至極さわやかに牛尾が言ってくる。
本当にこの先輩は何処まで本気で何処まで冗談なのか分かんないわ……。
まぁ…全部本気でもすっっっごく嫌だけど……。
「あれ?どこか変な所があったかい?まぁ余り大差ないから良しとしようじゃないか。」
「良くないわ……っ!!」
「じゃあ、この入部届けにサインしてくれるかな?」
私のツッコミを完璧に無視して、入部届けをさし出す牛尾先輩。
ニコニコと、有無を言わさぬ笑顔である。
「…………。私!今日日直で急いでるんでっ!!失礼しますっ!!」
しばらく考え込んだ後、先輩のスキをつき、適当な言い訳を言いながら走って逃げた。
「あ!待ちたまえっ、君っ!!……ふぅ、今朝も逃げられたか……。でも、今日はまだまだ長いよ…君……。」
牛尾はため息を一つついた後、部室に向かった。








「ふぅ〜〜〜…、第一関門突破〜〜〜……。」
クラスにつき、カバンを机にドサッと置いて、イスに腰を下ろした。
そもそも、こんな事が起こる切っ掛けとなったのは、私がここに入学して少し後、どのクラブに入ろうかと迷っていた時の事ーーーーー……。
十二支の野球部は有名だと聞いていたので少し覗きに行くついでに、マネージャー志望で仮入部してみた。
野球は良く分からないけど、見てて楽しかった。
で、少し調子に乗って、ドリンク配りとか、タオル配りとか色々やらせてもらってたんですよ。
その時、急に怪我人が出ちゃって……。
私、中学時代3年間保健委員だったんで、手当てとかそっち系の知識は結構自信あったんですよ。
だから、その時もつい昔と同じみたいに応急手当しちゃったんですよね。
で、その時に私の素早いかつ的確な手当ての腕に惚れたとかで、その日からずぅーーーっと、野球部の人達に追い掛け回されてるんですよ……。
まぁ、その理由も本当がどうか怪しい所ですけどね……。

と、言う訳で。
この学校にいる間はもうサバイバルゲームとでも言いましょうか……。
生きるか死ぬか、入部するかしないかの私と野球部の戦いなんです。
一対数十人ってひどいと思いますが……。

そして、こうやってるとまた来るんですよ……。
”あいつ”が……。





ちゃーーーんっ!!マネージャーやろーよーーーっ!!」
元気よく教室に飛び込んできたのは兎丸比乃。
兎丸は毎朝授業が始まる前に教室にやって来る。
「嫌です。」
これまたキッパリと簡潔に言う。
「ええ〜〜〜、野球部楽しいよ〜〜〜っ!入ろーよーーーっ。ちゃんが入ってくれたら僕もっと頑張れるんだけどなーーー。」
兎丸はの机に肘をついて、の顔を覗き込んでいた。
「私が入らなくても兎丸君は十分頑張ってるでしょ!それに、マネージャーなら優しい優しい凪ちゃんがいるじゃない。」
ちゃんじゃないとダメなのっ!!」
机をバン!と叩きながら言う兎丸。
「何で?」
兎丸の目をじっと、見て聞く。
「言える訳ないじゃんっ!!」
1秒置かずに答える。
「何なのよ、それ……。」
「む〜〜〜っ!兎に角っ!!絶っっっ対にマネージャーになってもらうからねっ!!」
呆れるを後に、兎丸は教室を出て行った。





授業中だけがゆっくりと出来る時間だった。
(ちゃんと授業は聞いてますが。)
幸運な事に、野球部の誰ともクラスが一緒でないからだ。
『ま…、この後が大変なんだけどねーーー……。』
彼らは休み時間毎にを説得(?)しに来る。





「HAHAH〜〜〜N☆今日もはカワイイNa!」
「こ…虎鉄っ!もっと静かにするっちゃよっ!」
この時間は虎鉄と猪里が来た。
「これはこれは虎鉄先輩に猪里先輩。さっきの虎鉄先輩のセリフは一体今まで何人の女生徒に言われたのでしょうねぇ。」
ニッコリと笑いながら刺を含んだセリフを吐く。
「……今日も相変わらずキツイNa……。」
「それは虎鉄が悪かー。それより、さんマネージャーになってくれん?」
猪里が丁寧に頼んで来る。
「今までその頼みを何十回と聞いてきましたが、その全部に”NO”と答えたはずですよ?」
ニッコリと微笑んだままで言う。
「それは知ってるっちゃけど……。でもさんが入ってくれたら、俺達もすっごく助かるとよ!」
「それなら、すでに優秀なマネージャーさん達がいるでしょう。」
キッパリと切り返す。
「でも、さんが入ってくれたら、そのマネージャー達も助かるとよ?マネージャーがおるっちゅーても、部員の方がその何倍もおるんやし……。さんが入ってくれたら1人のマネージャーの負担も少し減るっちゃよ。」
「そうですけど……。」
少し考え込む。
「よしっ!やったZe、猪里!!あと一押しDaっ!!」
虎鉄の一言を聞いて急に冷めた。
「やっぱ止めます。」
「ええ……っ!?何でだYo……っ!?」
「虎鉄……。お前のせいばい……。」
「オレのせいなのKa……っ!?」
1人分かっていない虎鉄を引きずり、猪里は教室を出て行く。
扉の前でピタリと止まりの方を振り返る。
「諦めんけんね……。」
そう言って教室から出て行った。



……怖いです。猪里先輩……。
さっき振り返った顔からは恐ろしくブラックなオーラが放たれていました……。
今日の教訓……。
ああいうおっとりした人ほど怒らせると怖いんですネ。



その後の休み時間も、眼鏡Deモミアゲ君に理論的になぜか数式混じりに説得されてみたり、蛇神先輩に仏教オーラを放たれてみたりなどして、気付けば昼休みーーーーー。








今日も込んでます!十二支食堂っ!!
身長が大きいとは言えない私にはツライものがあります。
人の波に押されて、目的のメロンパンをゲットする事が出来ません。
「お…おばちゃん!メロンパン1つ……っ!!」
人の間を押しあけて、一生懸命お金を握った手を伸ばす。
しかし、おばちゃん達も忙しいので気付いてもらえない。
「〜〜〜〜っ!?」
人にギュウギュウと押されて、諦めかけたその時、隣から何かがさし出された。
見ると、それはメロンパン……。
それを持っている人物を確かめようと、少しずつ視線を上げていくとーーーーー……。


「…………っ!?」
そこにいたのは宇宙人こと司馬葵であった。
「…………っ!!」
声にならない驚きをしていると、もう1度メロンパンをさし出して来た。
「…………、くれるの……?」
司馬は無言でコクリ、と頷いた。



「で?またあんたも私にマネージャーになれって言うの?」
結局、司馬にメロンパンをもらい(お金はちゃんと渡しました。)それを今、食べている。
「…………。」
これまた無言で2、3度コクコクと首を縦に振る。
「……メロンパンくれたのは嬉しいけど、やっぱ、ヤ。」
「…………。」
目に見えて悲しそうな表情になる司馬。
眉が八の字になってます。
「第一、そんなにしてまで皆が私にこだわる訳が分からないわ。怪我の手当てなんて、上手い人は他にもたくさんいるわよ。」
そう言うと、司馬はすごい速さで首を横に振る。
「じゃあ、何で私じゃなきゃいけないの?私が納得できるように、50字以内で言って。……言うのが嫌なら書いても良いけど……。」
すると司馬は頬をほんのりピンクに染めて、少しずつイスごと遠ざかっていく。
「ちょっ…ちょっと…司馬君……っ!?」
私が立ち上がって手を伸ばすと彼はイスから立ち、ダッ!!と逃げて行った。
(……一体何だってのよ……。)
私は席に戻り、司馬君にもらったメロンパンの残りを食べ始めた。





5、6時間目と考えていたがやっぱり分からない。
十二支の野球部(レギュラー)は人気が高い。
まぁ、確かにカッコイイ人は多いと思う。
「マネージャーになってくれ」って言ったら、目の色変えて入部届けにサインする女子は大量にいるはずなのに、何故に私1人にこだわるのか……。
(誰に聞いても答えてくれないしなぁ〜〜〜……。)
いつまで続くんだろう…と思っていると、チャイムが鳴った。





SHRが終わり、帰る仕度をする。
今までの経験からして早く帰る方がいい。
ガラッ、とクラスで1番に教室のドアを開けた。
外には誰もいない。
今がチャンスだと思い、昇降口へ走り出す。





が…ーーーーー甘かったーーーーー……。


昇降口には…さわやかに微笑む牛尾が立っていた……。



「やぁ、君。速いんだね。」
「先輩ほどじゃあありませんよ。」
一応間合いを取っておく。
君…今日で戦いは終わりにしようじゃないか。」
牛尾先輩が真顔になった。
「それは…私を諦めてくれる、と言う事ですか……?」
「ハハ、まさか。君がマネージャーになる、と言う事さ。」
そう言ってポケットから入部届けを出す。
「…………。」
今の状況をよく見る。
牛尾の後ろの扉は2つとも開いている。
逃げようと思えば何とか逃げれるかもしれない。
周りには誰もいない。



いちがばちかに賭けるしかない……。



「…………。」
無言で牛尾に近づく……。
「おや、マネージャーになる気になったかい?」
さらに近づき牛尾まであと数歩…と言う所に来て…急に角度を変えて走り出した。
は何とかうまく昇降口を出る事に成功した。
上履きのままだったが、そんな事に構っている暇はなかった。
このまま校門に向かって走り続けようとした、その時ーーーーー……。



ドンッ!!



「ぅわぷっ!?」
急に何かにぶつかった。
見上げると…それは犬飼冥だった。
「…………っ!?」
何でこの人がここにいるんだっ!?と思いつつも、また角度を変えて走り出す。
すると、また目の前に誰かが現れた。
……お昼にメロンパンをくれた司馬、だった。
「…………っ!!」
嫌な予感がして後ろを見ると、やはりそこには仏教先輩こと蛇神尊がいた。


「な……っ!?」
少しずつ3人が近づいて来る。
ちょっと奥さん、これ怖いですよ!
私、身長約150cmですよ!相手方180cm前後ですよっ!?
まさしく人の壁っ!!魔のトライアングルですっ!!


「とりあえず…マネージャーになれ……。」
犬飼が頬を赤く染めて呟いた。
(ねぇ!この人って女の子苦手なんじゃなかったの……っ!?)
「…………。」
犬飼の言葉に司馬がコクリと頷く。
「マネージャーになるのが…主の最善の道だと思う也……。」
数珠を片手に蛇神が言う。

もうすでに3人は肩に触れる程に近づいている。





ーーーーー……逃げ場なし……ーーーーー





周りの3人全員から”マネージャーになれオーラ”が出てる気がする……。
ああ、これ立派な精神攻撃だよ……。

そんな事をグルグルと考えていると、「マネージャーになったら、楽になれるかな……。」という考えが頭を過ぎった。
考えたら、マネージャーになったらもう追いかけられなくて済むんだし……。





「なります……。」
静かな中、がポツリと言った。
周りの3人がピクリ、と反応をする。


「マネージャーになればいいんでしょ……っ!!」
なかば、やけくそに叫ぶ。


「じゃあ、この入部届けにサインをしてくれるかな?」
すっかり忘れていた牛尾御門が横からさわやかに出て来る。
「ぎゃあ!先輩っ!?いつの間に……っ!!」
「いやぁ、精神攻撃はきくね。」
サラリと口に出す。
「…………っ!!まさか!先輩、はめたんですか……っ!?」
「ハハッ、こうでもしないとマネージャーになってくれないだろうと思って♪」
笑いながら言う。
「〜〜〜〜……っ!!」





ーーーーーこうして私は、牛尾先輩の作戦にまんまとはめられて、マネージャーになりましたーーーーー



第1次マネージャー戦争、終戦ーーーーー。


しかし、この時は、マネージャーになった後に第2次マネージャー戦争が始まる事を知らない……。












〜〜〜後書き〜〜〜

ハム猫・「意味分からなすぎな逆ハーなのか?ドリーム終了です。」

牛尾・「全く……。もっとマシな物は書けないのかい?」

ハム猫・「無理です♪オイラ文才皆無だから☆」

牛尾・「そういう時は勉強したまえ……。」

ハム猫・「意味分からなすぎなので一応説明しとくと、野球部の方々がさんにホレていて、是非とも彼女をマネージャーに欲しい…と。争奪戦はフェアにマネージャーになってからにしよう、という話です。争奪戦が第2次マネージャー戦争ですね。」

牛尾・「じゃあ、まとめると、僕が最初に言っていたセリフで合ってたじゃないか。」

ハム猫・「まぁ、大体はね。しかし、コレって壊れたキャプと魔のトライアングルが書きたいがために作った話だから、もう他の部分が手抜きというか何というか……。」

牛尾・「それを言ったらお終いじゃないか……。」

ハム猫・「あ゛ー、何か1つでいいからしっかりとしたドリーム書きたいなぁ……。」

牛尾・「まぁ、こんなドリームだけど、多分ハム猫は懲りずにまた書くと思うから、その時はどうか読んでやってくれたまえ。」



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