待ちに待った、今日は聖バレンタインデー。










ーーー隠れたハートーーー










「お帰り、。今日が何の日か考えて、その手に持たれた物は私のだね?」
帰って来たの手に持たれた、高価そうな紙袋を見て、プラントマンは微笑む。
「ん?あ、コレ?自分用。」
そんなプラントマンの問い掛けをバッサリ切り捨てる
「誰があんたなんかにチョコ用意するかっての。勿体無い。」
買ってきた荷物を机に置きながら、冷たく言い放つ。
「さて、幸せなチョコレートタイムとしますか。」
読み掛けの本を持って来て。
お気に入りの紅茶も淹れて。
明日の事なんて考えない、ゆっくりとした時間を過ごす。
一日で一番幸せな時間。



「さてと。」
全ての準備を終え、凝ったチョコレートの箱をゆっくりと開ける。
「ん〜〜〜ん!どれも美味しそう!」
中を見た途端、感嘆の声が出てしまう。
何でバレンタインの時期にしか豊富なチョコレートが出ないのだろう。
こんなに美味しい物を、期間限定にしておくなんて勿体無い。

一つ、口に運ぶ。
「わぁ〜〜っ、これ中も美味しい〜〜〜!」
一つを少しずつかじり、ゆっくりと味わう。

「幸せそうだねぇ、。」
そんな幸せな時間に、唐突に割って入った声。
何時の間にやら目の前に座り、頬杖を付いて、チョコレートを食べるを微笑ましく見ている。
「……そりゃあね、チョコレート好きだし。」
その視線にイラッと来ながらも、幸せな時間を壊されてたまるか、と極力無視を試みる。
「そんな姿を見てると、美味しそうに見えるね。」
「そんな事言ってもあげないか……。」
「君が。」


バンッ!!


そのプラントマンの言葉を聞いた瞬間に、は勢い良く立ち上がり、チョコレートや本を持ってソファーへ移動した。
ここで言い返したら相手の思う壺だ。
ここは完璧無視を決め込むしかない。
幸せな時間、やり直しだ。

「さ〜〜て、次はどれ食べようかな〜〜〜。」
机に座るプラントマンには背を向けて、箱と向き合う。
同じ種類が何個もあれば、好きに食べていけるのだが、そんなに大きなのを買うお金も無いので、一つずつしか入っていない。
食べる順番は大事だ。

「ん〜〜〜…、これにしよ!」

暫く悩んで、やっと一つのチョコレートを手に取る。

「いただきます♪」
そう言って、ゆっくりと口に運ぶ。



「あ。」


グイッ。


口に入れるまであと少し、と言う瞬間。
急に後ろから現れたプラントマンに手首を引っ張られ、ペロリと食べられた。
「あ゛ーーーっ!!何人のチョコレート勝手に横取りしてんのよ!」
「うん、甘いね。」
咄嗟にソファーから立ち上がるを他所に、プラントマンはチョコレートを味わい、飲み込んだ。
「……ってか、それビターチョコだし……っ。」
人の言葉を聞かない自分のナビに苛立ちながら睨み付ける。
「君にもらったものなら、何だって甘いよ。」



チュ。



「…………っ!?」
一言そう言ったと思ったら、一瞬後に柔らかな感触。
「……な……っ!?……っ、っ今度焦げの塊突っ込んでやる……っ!!」
余りの不覚に、赤くなりながらも、精一杯睨み上げる。
「ふふ、それは楽しみだ。」
しかし、そんな態度を取っても、プラントマンは楽しそうに微笑むばかり。
「……〜〜〜〜っ、後で頼んだってもうチョコレート分けてやらないからな!あっち行ってよっ!!」
上手く言い返せない自分に苛立ちながらも、隣の部屋を指差す。
「ふぅ…、そうだね。じゃあ、私はが”キッチンに隠してある方の”チョコレートをもらうとしよう。」
そう言って背中を向けるプラントマン。
「…………っ!?ぁ、あれはお父さんの……!」
立ち去っていくプラントマンの背中に、咄嗟に叫ぶ。
「……は、この間送っていたよね?」
しかし、プラントマンはしっかりと覚えていたようで、軽く返されてしまった。
「……っ、お、お世話になってる、近所のお兄さんに……っ。」
「それに当てはまるような人物を思い付かないけれど……。」
次の言葉を口にすれば、わざとらしく考える素振りを見せるプラントマン。
「…………っ!!」
咄嗟に出てくる言葉が無くて、黙りこむ。
「〜〜〜〜っ、だから、別に、隠してるからってあんたのって訳じゃ……っ!!」
上手い切り替えしが思い付かず、悔しい思いをしながら、兎に角叫ぶ。
赤くなりながらも、何とか言い訳をしようとするを見ながら、プラントマンはクスリと微笑んだ。
「ホワイトデーを楽しみにしておいで。」
そう言って、ニコリと笑って背を向ける。
「だ、だから!誰もプラントマンにあげるとは言ってな……っ!!」
「フフ…、分かってるよ。私が勝手にあげたいだけだから。」
去って行く背中に思い切り叫ぶけれど、それはどうにも本気に受け取られていないようで。
ひらひらと手を振りながらも、部屋を出て行くプラントマンを恨めしそうに見つめるだった……。



















〜〜〜後書き〜〜〜

ハム猫・「そんなこんなで、バレンタインもとうに過ぎてのバレンタイン夢です。」

プラントマン・「……全く…、毎回ながら行動が遅いね。」

ハム猫・「いや、だって別にバレンタインネタ書くつもりは無かったし。」

プラントマン・「しかも、書いてる間はホワイトデー夢の方が早く出来たしね。」

ハム猫・「まぁ、春夏秋冬関係無いのがうちのサイトの法則ですから☆」

プラントマン・「何とも都合の良い事で……。」

ハム猫・「内容も中途半端なんだけどね☆」

プラントマン・「何暴露してるんだい!まぁ、そんな事周知の事だけれど……っ。」

ハム猫・「いやぁ〜、だって、プラントと夢主さんの言い合いが書きたかっただけだし。」

プラントマン・「……まぁ…、もう良いよ。今更驚く事でもない。」

ハム猫・「うん。そう言う事で。順応って大事だよ?」

プラントマン・「君に言われたくないね。はぁ…、こんな物でも、もし読んでくれた人がいるなら有難いよ……。これに懲りず、また見てくれると嬉しい。」



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