ーーー肝試しーーー










(何故、こんな事になったんでしょう……。)
野球部1年マネージャー・は心の中で呟いた。

時は夜の十時、場所は森の中。

合宿に来ていた野球部員全員が森の中に集まっていた。



何故こんな事になったかというと……








〜〜〜回想〜〜〜
野宿組が「ごはんですか?」と白ご飯だけというわびしい食事をしていた時に、は監督達には内緒で、猿野達にお菓子を持って行った。
「猿野君達〜〜、お菓子持ってきたよ〜〜〜。」
薄暗い森の中からの明るい声が聞こえた。

「うおぉぉぉ〜〜〜!菓子じゃあぁぁ〜〜〜っ!!ありがてぇぇーーーっ!!」
の声と共に飢えた獣ども(笑)はお菓子をぶんどり、あっという間に平らげてしまった。
「…………(すっごいお腹空いてたんだね……。)」
目を光らせ、周りの者を蹴り倒しながら、わずかなお菓子を平らげて行く姿を見ながらはそう思った。



「……ごめんね……。もっとお菓子持って来ればよかったね……。」

「良いって。持って来てくれただけでもありがてぇんだしよ。」
猿野が言う。
「ひどいっすよ…。猿野君……。」
隣で子津が泣いている。

それもそのはず、が持ってきたお菓子は、大部分を猿野に食べられてしまったあげく、争い事の苦手な子津は飢えた獣どもの恐ろしい戦場に足を踏み入れることができず、お菓子の一かけらも食べられなかったのだ。

「ホントごめんね……っ!!何なら、今からまた取ってこようかっ!?」

「あ!いや、いいっすよっ!!ホント、ボクはいいっすからっ、さんのせいじゃないですし……っ!!」
に心配させまいと一緒懸命に手を振って、明るく振る舞う子津。
(子津君は優しいなぁ……。昼間あんなに練習したから、ご飯だけじゃあまだお腹空いてるだろうに……。)



「にしても、ホント暗いねここ……。ちょっと、ていうか、かなり怖いかも……。」
両腕をさすりながら言う。
「皆ここで寝るんだよね……。大丈夫かなぁ〜〜〜。」
「何がだ?」
猿野が聞く。

「……いや…、その、ほら…、幽霊が出たりとか……。」





「ぶぅわっははははは……っ!!」
暫くの沈黙の後、猿野のばか笑いが森に響いた。
「なっ、何でそんなに笑うの〜〜〜っ!?」
真っ赤になりながら猿野に聞く。
「……っだ、だってよ…、こ、高校生にもなって、幽霊って…っははっ!!」
未だに猿野はお腹を抱えて笑っている。
「だ、だって!いないとも言い切れないでしょっ!?ねっ、そうだよね!子津君っ!!」
「えっ!?あ、ハイ。そうっすねっ……!」
急に振られて戸惑う子津。


「っはは…、あぁ〜〜〜、笑った笑った。こりゃ、一億年分くらい笑ったな……。」
未だに涙の残る目を擦りながら、やっと笑い終えた猿野が言った。
「そんなに馬鹿にしなくてもいいじゃない……。」
そんな猿野の態度に、頬を膨らます。
「よしっ、と、言う事で、そんな君のために肝試しをしようっ!!」
「えぇえぇぇ〜〜〜……っ!?」
猿野が急に博士顔で言った。
「何でそうなるのよっ!!「と、言う事で」って、どうゆう事なのよっ!?肝試しなんてしなくていいってぇ〜〜〜っ!!」
その言葉に、必死で猿野を止めようとする。
「いやいや、君。これは…、強制イベントだっ!!」
そんなの顔に指を突きつけて言う猿野。
「さて、そうと決まれば、宿にいる奴等全員呼んで来い。」
「ぜ…、全員って…っ、先輩達も呼んでくるのっ!?そんな事言ったら私殺されるよっ!!」
青ざめた顔で言う。
「大丈夫だって、もしもの時は、悩殺よっ!!ちゃんのその目で殺すのよっ!!」
いきなり途中から明美になりながら熱弁を振るう。
「うぅぅうぅ〜〜〜……。怒られたら全部猿野君のせいだからね……。」
そう、言いながらはしぶしぶと宿に戻った……。








〜〜〜回想終了〜〜〜(長……。)


その後、宿に戻って監督に「肝試し」案を出したら、一言でOK出したし。(いいのかっ!?)

1年生は兎丸君がノリノリだったし、2年生は虎鉄先輩がノリノリだった……。

3年生は好きそうな人いないと思ったのに、何か私が呼びに行ったらあっさり来てくれたし……。





そんなこんなで、森の中に来て、ペア決めのくじを引き終わりました。

ハイ。引いたんですよ。

で、何でこうなったんでしょう……?


私のくじには「5」という数字が書かれています。

そして、その「5」番の相手というのが……、





仏教オーラを放ちまくりの、蛇神尊先輩なのです……。





この先輩私服でも数珠してるよ……。
(私、この先輩とあんまり話した事ないんだよねぇ〜〜〜……。)
練習の時にタオル渡す時だって、「うむ……。」の一言だし、何かもともと話しかけにくい感じだし……。
(うぅう〜〜、どうしよう〜〜〜。)


そう思いながら、蛇神に近づいていく。
「あ…、あの〜……。先輩「5」番ですよね?」
一応確認する。
「うむ……。」
「えっと、私も「5」番なんですよ……。なので〜…、よろしくお願いします……。」
(何変な日本語しゃべってんだろ……。)
「…………。」

(あ…、あれ?機嫌そこねちゃったかな……?)





蛇神はその後も何も語ることなく、肝試しは始まった。

まず、森の奥の缶ジュースを取りに行くグループと、それを驚かすグループに分かれた。

達は先に行くグループになった。





順番にペアが進んで行く中、達の番になった。

「蛇神・ペア、出発ーーー。」





その声と共に、暗い森の中に足を踏み入れていく。

ザッ、ザッ、ザッ、ザッ……。

暫く歩いていると、急に……





ガッ……ッ!!





「ぃ、いにゃあぁあぁぁーーーっ!!」



草むらの中から手が出てきて、足首をつかまれた。


心臓が止まるくらいびっくりした。

私はもともと怖いのが苦手なんだよーーーっ!!

猿野君の馬鹿ーーーっ!!あほんだらーーーっ!!(オイ。)



そんな事を考えながら我に返ってみると……



「あれ……?」



思いっっっきし、これでもかってくらいに…、蛇神先輩の腕にしがみついてました……。





…………死…………。





「ご…、ご、ごご、ごめんなさいっ!!あぅあぅ、私、ホントっ、あの……っ!!」
すぐに手を離して、離れながら謝る。

「気にするな。」
蛇神はそう言って少し微笑んだ。

(……私…、笑われた……?)←何か違う。





その後も、は「蛇神先輩に迷惑をかけないようにしよう!」と思いながらも、10回近くしがみついてしまった……。



(ダメじゃん…、私……。)



少しが落ち込んでいると、


「主はそんなに怖いのが嫌いか……?」
蛇神が話しかけてきた。
「えっ、はい。……怖いのはちょっと……。」
急に話しかけられてドギマギしながらが答えた。

「そうか…、ならば……。」
そう言いながら、首に掛けた数珠を外す。
「…………?」
訳が分からずが見ていると……





ガサ……ッ!!



「滅……っ!!」



近くの茂みから明神瓜雄が出てきた。

と、同時に、蛇神の数珠が明神の頭部にヒットした。





倒れ行く明神ーーーーー……。



その姿を驚きながら見つめる。

そんなに向き直り、
「我が付いている……。」
優しく微笑み蛇神が言った。

「先輩……。」





その後、さっきの蛇神先輩の数珠攻撃に恐れをなしたのか、驚かし役の人は出てきませんでした。





……何だか、ちょっと…先輩がかっこよく見えました。










〜〜〜おまけ〜〜〜

2回目の人達は、蛇神先輩の読経に皆怖がっていました。















〜〜〜後書き〜〜〜

ハム猫・「実は、コレが初・ミスフル夢なんですよね、と言う事で変ですね。(それはいつもだ。)」

蛇神・「肝試し…というと、話が被る也……。」

ハム猫・「そうなんですよね。原作でもしてましたが、これは、原作でエスコート肝試しがされるかなり前のものなので、色々とぶっちゃけ変ですが目を瞑ってやって下さい♪」

蛇神・「いまいち内容が分からない話よな。」

ハム猫・「いや、だって、即席で書いたんだもん。姉のリクエストで。この頃は、まだ話なんて書いたこともなかったからまとめ方とかね…色々と問題が……。」

蛇神・「それは今も言える事也……。」

ハム猫・「……いや、分かってますけどね……。まぁ、コレは1つのギャグ物と言う事で。ポイントは、倒れ行く明神。」

蛇神・「…………。(冷たい視線。)……まぁ、こんな物でも読んでくれて感謝する。これからも、良ければ読んでやってくれると我は嬉しい也。」



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